昆虫食を買ってみた

 昆虫食を実際に体験してみようという事で、以前に高田馬場にあるシャン族のお店を訪れた(「コオロギ料理を食べに行こう」
 この時はコオロギの炒め物を食べた。
 ビジュアルがどうしたってTHE・コオロギではあるが、、ほんのり辛く米飯が進むお味。あれは中々に美味かった。
 虫を食べるという経験を1度した事で、昆虫食そのものへの抵抗感が薄れて来た。
 となると他の虫はどうなのだろうと気になり、ならばもっと領域を広げて他のも食べてみようと思った次第である。
 調べてみたところ、『TAKEO』なる店で乾燥させた昆虫をパックおよび缶詰で販売している。
 この『TAKEO』さん、もともと通販限定で虫を売買していたのだが、実店舗も構えたらしい。初めて乾燥虫を買うとなると、できれば店員さんと直に話してから何の虫を買うか考えたい。
 こうして私は上野に出向いた。

 

TAKEOさんへの道のり

 シャンシャンが生まれた事で更に賑やかさを得た上野動物園。『TAKEO』はJR上野駅を挟んでこの動物園や科学博物館、西洋美術館といった施設とは反対側に立地している。

 改札を抜け動物園とは真反対の方に出て、浅草通りをひたすら真っ直ぐに歩く。
 こちらに来るのは初めてで、こんなにも仏具専門の店舗が並んでいるのかと驚いた。
 そのまま東京メトロ銀座線の路線の真上に当たる道路を歩き、稲荷町駅を通り過ぎ、廣大寺の前を通ると直ぐに差し掛かる曲がり角。
 この角を左に曲がってまっすぐ進む。

 GoogleMapの指し示す地点に、台東区立小学校と道路を挟んで向かいの地点に、『TAKEO』はあった。
 店舗を構えていると知った時、勝手ながら大きな看板を設けていると思っていたがさにあらず。
 『TAKEO』は小さな立て看板があるのみであった。よくお洒落なレストランの前で「本日のオススメ」と手書きで書かれているアレだ。
 己の思い込みを恥じつつ、手書きでかかれたTAKEOの看板は小さくまとまっていて可愛らしい印象を受けた。

 

あれこれ聞いて買ったのは

 さて、ここからが本題。中に入って店員さんに話を聞かねば。
 シンプルな造りが印象的な店内には、棚に各種昆虫のパックと缶詰が飾られており、レジには狐色と茶色が入り混じった不思議な物体がプラ容器に詰められていた。

 これは何だろうかと思いつつ、応対してくださった女性店員さんとカウンター越しに質問をする。
 一通り説明を聞いてから判断しようと思い、ザッと現在取扱中の物を説明してもらう事に。
 さて、食べやすいのはどれか。
 店員さんは手元のカタログを手に一つ一つの特徴や食べやすさ、食べ方について説明していく。

 カブトムシが有れば食べてみたかったが今は取り扱っていない。残念。
 ホームページでチラと見たがホントにチョコレートでコーティングしているらしい。
 これは女性客にウケが良いとか。今回はシンプルに乾燥昆虫でいこうと思い、却下。
 定番のバッタ目のミックス、それにコオロギ。この辺りは前回、コオロギ炒めを頂いたので、あえて選ばない。
 クロアリの缶詰。味は酸っぱいとか。
 ゲンゴロウとガムシの詰め合わせ。ゲンゴロウは自宅周辺ではすっかり見かけなくなった。
 次に出たのは同じく水生昆虫のタガメ。丸ごと一匹がパックに入っている。
 そこそこ硬くてタガメは食べにくいが、好んでラーメンに入れる方もいるとか。
 これまた丸ごと一匹がパックに入っているのは、サソリ(アジアンフォレストスコーピオン)。見た目のインパクトはタガメ以上でもっと硬い。
 軽く引きながらも次の商品を見せてもらうと今度はキョクトウサソリ。こちらは缶詰で売られている。店員さん曰く、このサソリは比較的柔らかいという。まあ比較対象は先程のサソリなのだが。
 それから出てきたタランチュラ。缶に丸ごと一匹。なんでもクモはイカに似た味がするという。
 少なくともタガメ、サソリ、タランチュラの類は、まだ自分には早い気がした。決してビビった訳ではない。

 ついでに自分がTAKEOへ来た理由も話し、己が『NONG INRAY(ノングインレイ)』で食べたコオロギ炒めを食べたくらいのビギナーであると説明した。
 その話から紹介してもらったのが、狐色と茶色が入り混じった物体。
 これはコオロギの粉末を練り込んだパスタだそうだ。重量比にして20%ほどコオロギの粉が混ぜ込んである。せっかくなのでどうぞ、と有り難いことに試食させていただいた。
 歯ごたえがあり、クッキーというよりかは煎餅に近い後味。なかなか美味い。

 あれこれ説明して頂いた結果、選んだのはコオロギとは違う食感・ビジュアルで、サソリほどハードルが高くなく、初心者にも食べやすい幼虫ミックスにした。

購入した幼虫ミックス

購入した幼虫ミックス

ミックスの名の通り、複数の昆虫が入っており、中にはシルクワームミールワーム、スーパーワーム、サゴワームが入っている。
 シルクワームは名前と見た目からカイコと分かった。ミールワームも聞いた事がある。昆虫食の話題になると結構出てくるヤツだ。
 で、問題は聞き覚えの無い連中。スーパーにサゴ? 後に調べたところ、
ミールワーム:チャイロコメノゴミムシダマシ
・スーパーワーム(ジャイアンミールワームなどとも):ツヤケシオオゴミムシダマシ
・サゴワーム:サゴゾウムシ
 ということらしい。

 なおこの店舗はクレジットカードが使える。ちょうど現金の持ち合わせが少なかったので助かった。

 

虫の詰め合わせそのお味

 コオロギに続いてトライする昆虫食。それは複数の幼虫軍団と相成った。
 帰宅後、いささかドキドキしながらレッツトライ。袋を開けた瞬間から立ち込める臭いはエビのそれであった。
 昆虫はエビに似た匂いや味がすると聞くがどうやら本当らしい。店員さんも昆虫は甲殻類アレルギーの方は食べない方が良いとおっしゃっていた。
 しかしエビを想起させるのは良いが、余りにも臭気が強い。『臭』の字で表記している通り、どうにも鼻につく。
 海苔の香りは「香ばしい」が、この香りが集まって臭気が強くなると途端に「磯臭い」へと変わる。アレと同じである。
 この幼虫詰め合わせも同じで、エビの匂いが香ばしいを通り越して臭いのだ。
 臭気の程はよくわかった。では味はどうなのかと、食べてみる。やはり口に広がるのはエビのそれを強めた、いや強め過ぎた味。
 このままでも食べられない事はないが、いかんせんクセが強い。スナック菓子感覚でポイポイと放り込めるものではなかった。
 さて、美味しく食べるために、何か良い方法はないかと考え、私は一冊の本を頼った。
 それについてはまた今度。

11/9追記:AMAZONでも通販してるのを発見。