UbuntuとSSDの合せ技・出費を約18分の1にまでダウン〜それいけ台湾三銃士〜

前の記事「Acer Aspire Tinme LineにUbuntu@SSDを入れた」で型落ちしたノートPCにUbuntuを導入したと書いた。
 この記事では何故「Ubuntuで稼働するそこそこ快適な(acer社の)マシンを、もったいないオバケがでない方法で手に入れたい」などと思ったかについてより詳しく綴る。

 

それいけ台湾三銃士

 元来、私はタブレットやPCなどのガジェットが好きで複数台所持したがる習性があり、ちょくちょく各メーカーのサイトや通販サイトを眺めてしまう。
 ー以前の記事ーでも書いたが、ASUS社のChromebook Flip C301Aを購入したのも似たような経緯であった。
 そしてある時、こんな商品が目に留まった。

 Chromebook Tab 10。リンク先の記事は2018年3月のものだが、この商品が日本に上陸したのは12月。そのタイミングで私は、タブレット型のChromebookというBookなのかTabletなのか良くわからない輩を知った。
 しかし、この商品を見かけた途端、自分の中に微弱な電気が走った。私にはガジェットの中に共通項や関連性を見出して一纏めにするというもう一つの習性がある。今回の場合、手持ちのスマートフォンChromebookを含む下記の三台に共通項を見出した。

製品 メーカーおよび型番
スマートフォン HTC U11
Chromebook ASUS Chromebook Flip C301A
Chromebook tab acer Chromebook Tab 10


HTC、ASUSacer。これら三つの企業は全て台湾にある。その事実に気づいた途端、彼らを台湾三銃士などと名付けて使ってみようと思ったわけだ。
つまりは台湾メーカーでそろえてみたかったというだけの話。

 さて、三台の中で唯一持っていないChromebook Tab 10。Wacom社製のスタイラスペンを自前で装備していて手書きのメモもしやすい。同じChromeOSなので手持ちのChromebook Flip C301Aとも連携しやすい。自分の場合は文書データのやり取りが中心だから、Googleドキュメントを通じてAndroidOSのHTCとも連携しやすい。
 なんとも魅力的な商品に映ったが、文書入力のため、三銃士を揃えたいため、という理由で6万弱の金を出すには些か動機が弱い(個人輸入すればもっと安いんでしょうけど)。
 どうしたものかと考えている内に、部屋の隅に置かれているacerのマシンが目についた。それが ASpire Time Line(型番:AS3810T-P22)である。
 数年前、西日本にいたとき中古ショップで購入したPCであり、2019年1月現在も現役で活躍しているFUJITSUのAH45/Uより前に、私の元でメインマシンとして稼働していた。
 当時は今ほどマシンの性能について深く考えてはおらず、安いし、なんとなく良さげなので買ったのだが、1年経過して今のマシンに乗り換えて以降、いざという時のサブマシンとして控え続けていたヤツである。
 この記事を書いている時点で9年前の代物で当時は8万円したそうだが、私は1, 2万ちょっとで購入した記憶がある。
 先述の通り型落ちているので、要らないと言えば要らない。要らない板タブもろともリサイクルショップに持って行こうかとおもったのだが突如として私の中の「もったいないお化け」が出て来た。
 同じacerだし台湾三銃士の要件は十分満たされる。だが、このままでは正直使い物にならない。なにしろ9年前のPCだ。そこで思い立った。

 

 Chromebook tab10じゃなくて容量少なめのSSD買って入れ替えよう。そしてUbuntuを入れよう。

・少し手間をかけて

・いま手元にある物で

Ubuntuで動くPCが欲しい

 紆余曲折を経て、物欲を抑えるため、別の物欲に支配された訳だ。

 

 

出費を約18分の1にまでダウン

 改めて、OS交換前のacer ASpire Time Lineの大まかなスペックを記載する。

OS Windows7 Ulimate
ディスプレイサイズ 13.3インチ
CPU Core 2 Duo SU9400 1.4GHz/2コア
メインメモリ 2 GB DDR3 PC3-850
ストレージ HDD 250 GB


私は動画編集とかしないし、用途は文章入力とブラウジングだけだったので割と使えた。
とはいえ、現在メインで使っているノートPCはストレージをSanDisk社のSSDに変えている。

 

 今のご時世、SSDを使っている方の方が多いだろう。ご存知の通りHDDよりも立ち上がり、レスポンスが速い。一度これを体験してしまうと、もうHDDには戻れない。という訳でASpireくんもSSDに換装することにした。

 

SSDはKING MAXのKM120GSMV32を使用。SATAで、2.5インチで、低価格、そして手軽に手に入る。探した結果がこれであった。己の使い方を考えると、容量は120GBもあれば十分。
 やはり半導体関係の製品は進歩が速く、低価格化が進む進む。SanDisk社のを買った当時は13000円もした。それが今や同程度の容量の240 GBで、4000円弱。三分の一にまで安くなっている。加えて今回は120 GBだから更に安い。税込みでも3000円ちょっとだ。
 そこで出てくるのが、先月話題になったPayPayの100億円あげちゃうキャンペーン。このキャンペーンがたまたま最終日となってしまったその日にメインメモリをPayPay決済で購入した。その時の20%還元分と、PayPay初登録時に貰った分を合わせれば120 GBが買える。
 そしてSSD換装に合わせ、OSもUbuntuにした。なぜOSまで入れ替えたかは後述する。
 Ubuntuとは何かという説明は、より詳しい方々の解説に譲る。このOSの存在自体は以前から知っていて、今回起用するにあたっては「使い勝手が良くてロハで手に入る」という点が非常に大きかった。
 卑しい根性で恥ずかしいのだが、無料 = 思い立った時点で気軽に入手できる、というのはやはり大きい。
 調査した結果、DropBoxは使えるし、GoogleChromeも使える。
 WindowsChromeAndroidiOSと手元の機器にはあれやこれやのOSがあるので、何だったらもう1種類、他にも欲しいと思った事も手伝った。
 Ubuntuの開発・運営に携わってらっしゃるボランティアの皆さんや、支援をしているCanonical Group, Ltd.様々だ*1
 実際に導入した際の手順はこちらの記事にある。

 

 結果、ストレージ換装・Ubuntu導入に成功し、acer Chromebook tab10(ビックカメラなどでの発売当初の価格、税込みおよそ59,000円)を我慢して、KING MAXのSSD(購入時の価格、税込みおよそ3200円)で済ませられた。これで、台湾三銃士を揃えつつ物欲を満たすのに必要な費用が約18分の1にまで減じたのだ。

製品 メーカーおよび型番
スマートフォン HTC U11
Chromebook ASUS Chromebook Flip C301A
ノートPC acer ASpire Time Line

 

 

さらばWindows7

 かくして物欲を満たしつつ、漬物石にならないUbuntu搭載のacer ASpire Time Lineくんが出来上がった。
 最後にOSを変えた理由について触れる。Ubuntuを導入した理由の一つには先述の通り、他のOSも欲しかったというものがある。それに加えてもう二つ。というかこちらの方が重要であった。

 ・ASpire Time Lineに実装されているメインメモリが2GBである。

 ・Windows7の個人向けサポートが来年には切れる。

 もともとASpire Time LineにはWindows7が搭載されていた(導入手順を記した記事でも述べたが、なぜかHome PremiumではなくUltimateであったが)。
 ニュースにもなっている通り、Windows7の個人向けサポートは2020年で終了となる*2。1年後には使えなくなるOSをわざわざクローニングしようとは思わない。
 それにメインメモリを4GBまで増設できるものの、ASpire Time LineというマシンのスペックではWindows10を動かすのは流石に厳しい。SSDに換装した利点がなくなってしまう。
 そこで目をつけたのが、推奨メインメモリ 1 GBと軽めのOSであるUbuntuXubuntuとかよりかは重いと言われるが、それでも十分軽快に動くだろうと踏んだ(実際、運用するにあたって何の問題もなかった)。
 以上の理由から、空のSSDを差し込んで、USBメモリからOSをインストールしたのである。
 これで手持ちのガジェットでWindow7を搭載しているマシンは無くなった。このような形で別れを迎えるとは。今までありがとう、Windows7 Ultimate……と言っても、君の前にWindows7 starterを4年に渡って使っていたから、僅かに1年程度の付き合いだったが。